ISSUES 2014-SHAPER-

2014

2014FIREWIRE

2014FIREWIRE

流体力学をサーフボードデザインに活かし、ミニシモンズとモダン・パフォーマンスボードを高次元で融合させた次世代ハイパフォーマンス・モデルNanoやVanguardを生み出し、ボードデザインにおける革新的な大旋風を巻き起こしたTomoことDaniel Thomsonから2014年最新モデルに対してのインタビューを紹介。

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- 世界中で大旋風となったVanguardについて

実はVanguardよりも先に、ミニシモンズとモダン・パフォーマンスボードを融合させたモデルの第一弾としてNanoモデルをデザインしていて、そこで出たプレニーング・ハルなどの細かいデータをもとに生まれたのがVanguardだった。

- Tomoはサーフボードデザインに流体力学を反映させ、ほかにはない乗り味のボードを数々生み出していますが、流体力学をサーフボードデザインに取り込もうと思ったきっかけは?

流体力学を駆使することによって、ボードの形状に対してどのように水が流れていくのか、どういった水の流れ方がサーフボードデザインにおいて一番効率的なのかという部分を明確にできると思った。流体力学は飛行機などの設計に主に用いられるものですが、空気の流れを知ることで、例えばライディング中にノーズが受ける空気抵抗によりノーズがリフトアップされることなどを考慮することができ、すべてのデザインを科学的根拠に基づいて形にすることが可能になります。今後サーフボードデザインが進化していくうえで、自分はそこに大きなヒントがあると感じています。

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- 今年の日本限定モデルについて

ミニシモンズとモダン・パフォーマンスボードを融合させたNanoモデルの次世代進化版となるのが、2014年7-8月にFIREWIREからリリースとなる日本限定モデル”ION”です。IONのコンセプトは、NanoやVanguardと同じで、ボードの長さは極力短く、されどその長さに対して使えるレールの領域は最大限に活かせるようにデザインすること。IONの大きな特徴としてはボトムに施された4つのコンケイブと、両サイドに牙のような角がついたダイヤモンドテールです。ダイヤモンドテールの両サイドに牙のような部分をプラスαすることで、レールを傾けた際の反応の良さを劇的に向上させることに成功しました。わかりやすく説明すると、ダイヤモンドテールが持つスムーズなレール・トゥ・レール性に、もう少しレールが引っかかりやすくなるようにデザインしたのが、今回の新しいダイヤモンドテールとなっています。

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- 日本の波でボードをテストすることはありますか?

実は日本には7年前くらいから通っていて、今回がすでに15回目の来日になります。そんななかで日本の波にたくさん乗るうちに、オーストラリアの波質とは大きく異なる日本の波質に合ったボードとは?日本の波に適したサーフボードデザインとは?ということを考えるようになりました。それは決して直進性のみを重視してロッカーをフラット気味し、ボード全体に浮力を持たせるという簡単な発想ではなく、パワーのない日本の波においても簡単にスピードを付けることができ、なおかつラディカルなマニューバーを描くことが可能なデザインを追い求めることでした。そのために無駄な部分をはぶいていきつつも、そのことで小さくなってしまったボードの表面積を最大限に活かし、わずかな波のパワーでもキャッチして加速につなげることができるよう、試行錯誤を繰り返してきました。日本人のサーファーとたくさん触れ合っていくなかで、多くの人たちが波が小さくても上手く乗りたい、もっと上手くなりたいという気持ちを強く持っていると感じたので、自分としてもそれを実現できるボードを追い求めたいという思いが強くなっていきました。それらを形にしていったボードの一部が、NanoやVanguard、2014年日本限定モデルとなるIONであったりもします。いまの自分のシェイパーとしての立場を確率するうえで、日本での長年の経験は必要不可欠なものでした。日本は本当に大好きな国のひとつです。

- FIREWIREが持つ世界最先端テクノロジーを活かしたTomoのボードと、普通のPUフォームでシェイプしたTomoのボードの違いは?

基本的にはどっちの素材でもシェイプすることはできますが、普通のPUフォームの場合、その性質上、ボード自体の反発がEPSに比べて少し遅くなるので、どうしてもその乗り味は少し湿った感じというのか、しなり方も少ししっとりとした感じになります。その一方でEPSの場合はしなりの反応も早く、その乗り味も乾いた感じというか、パキッとしているので、小波におけるハイパフォーマンス・ボードとしての観点から言えば、FIREWIREのテクノロジーでシェイプされたボードの方が、自分としてはより乗り味の質が高いものだと感じています。

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- 最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

NanoやVanguard、IONなど、僕のデザインしたボードに乗って頂くことで、ひとりでも多くの日本のみなさまが何倍もサーフィンが楽しくなったとしたら、それ以上ハッピーなことはありません。これからもよろしくお願い致します。ありがとうございます。